プシュケの涙 /柴村 仁

私が最近、読んでみて面白かったオススメの小説をご紹介します。

メディアワークス文庫から出ている、柴村仁さんの『プシュケの涙』という作品なのですが、それまでこの作家さんを知らずに本屋さんでなんとなくタイトルや表紙が気になって購入してみた一冊でした。

「夏休み、一人の少女が校舎の四階から飛び降り自殺した」という紹介文からまず興味をそそられ、何があってそんなことが起きたのかと真相が気になり、ついサクサクとページを読み進めてしまい、読み終わることにはすっかりこの物語の虜になってしまいました。

前半はその少女の死の真相、後半は彼女の生前の話が描かれていて、前半ではすでに故人ということでどんな人物かはほぼわからなかったのですが、生きていたときはこんな子だったのか…とまた違った印象を持ち、とても感慨深いものがありました。

また、前半で少女の死の真相を追う少年が登場するのですが、どうにも掴みどころのない、けれども本当はとても繊細な彼のキャラがこれまた魅力的です。

報われない悲しいストーリーのはずなのに、なぜか読んだあとには後味の悪さはなく、心地よい感じの切なさに満足できました。

この作品はシリーズもので、こちらのプシュケの涙を一作目として、共通して登場するキャラのその後を描いた二作目、三作目が発売されているのですが、その続きを読み進めていけるという楽しみがあるのが、ファンにはたまらなく嬉しいです。

試しにこの一作目だけでも、ぜひ読んでみて頂きたい一冊です。