『幼年期の終り』

周囲の人たちには、自分が本好きであることを、とりわけSFが好きであることを公言しています。

このブログではSF以外にも多ジャンルにわたって本や漫画を紹介していきますが、今日はSF作品について書かせていただきます。

SFはマイナージャンルで、読まれないことが多いです。本を読みたい、なにかいい本はないだろうか。と思っている人は、ときどき私に本の紹介を頼みます。私が紹介したい本が、相手にとって面白いとは限りませんし、私も相手に合わせて本を選びます。数あるジャンルのうちで、SFが好きだと言ったら、私は第一にこの本を紹介します。アーサー・C・クラークの『幼年期の終り』です。SFの歴史に残る大傑作で、初めて読んだ時は度肝を抜かれました。タイトルからは想像のつかない圧倒的なスケール、丁寧で重厚に描かれた物語に、衝撃のクライマックス。400ページ近くあるのに、まったく長さを感じませんでした。冒頭部で記される“人類はもはや孤独ではない”。その力強い文章に、地球の上空に出現した“オーバーロード”と呼ばれるエイリアン。冒頭のメッセージは、これから起こるだろうことを端的に表した一文であるとともに、クライマックスでもう一つの意味を帯びるのです。そして、エイリアンの行動もリンクし、とてつもなく大きなスケールの、それでいて読者に希望を抱かせる、素晴らしいクライマックスに向かわせるのです。

物語の筋を書いてしまうと、ただそれだけの筋だけの、単純なストーリーだと思われがちです。筋を追うようにして読んでも、ああやはり筋通りの話だな、と思うだけでしょう。しかし、この作品に関していえば、ノーです。筋を知っていても、クライマックスを知っていても、面白く読めるのです。あなたが想像する以上の、圧倒的な面白さが待っています。それはすなわち、二度読んでも三度読んでも面白いということです。ですが、この楽しさは読まなければ分かりません。