伊藤三巳華さん作『視えるんです』

この作品は伊藤さんの実体験を元にしたエッセイコミックです。私にはまったく霊感はありません。霊というものが存在するかしないかという自分の意見を言う前に、自分では見えないためどちらにしても確証がないので、あまりこういう話をするのも好きではありませんでした。さらに、いわゆる視える人というのは、どうも商売がらみの欲みたいなのがどうしても感じられて苦手でした。

しかし、伊藤三巳華さん作『視えるんです』を読んでから、霊がいて、その人を救済する人がいてもいいな、と思えるようになりました。伊藤さんは子供の頃から霊感体質のいわゆる視える人です。『視えるんです』の作中では、現世に残る霊を成仏させてあげたりもします。しかし、その方法がとても人間くさくて逆に信用できるのです。また、本人も「(霊が見えているのが)自分の妄想ではないかと思う時もある」とはっきり言っていて、その方が信頼できるような気がします。

私自身は、霊が見えるなんて怖くて絶対嫌ですが、伊藤さんは思い切り怖がりながらも、どこか愛情を持って接しているように見えます。死んでも現世に未練を残す霊に対して、深い同情心を持っています。時に高次の存在らしいもの(神様?)と意思疎通をするようなエピソードもありますが、そんな日常も少し楽しそうで羨ましい気さえします。あちら側の事はよくわかりませんが、いつの間にか少し身近に感じ親しみを持ってしまいます。

霊は苦手でも、スピリチュアルな世界は好きという方にもおすすめです。