今回は貴志祐介さん著の”黒い家”という本について紹介したいと思います。
この本はホラー小説になるのですが、突然驚かしてくるタイプのホラー小説ではなく、読み進めるたびに背筋がゾクゾクするような、とてもリアリティのある作品となっています。
この本における主人公は保険会社の社員なのですが、貴志祐介さん自身も小説家になられる以前は保険会社の社員として勤務されていたのでその内情も驚くほど鮮明に描かれていますので、その点を読むだけでもこの本を読んでみてよかった思える点ではないかと思います。
またホラーの部分に関してなのですが、心霊系のものではなく”人間が怖い”というものになります。
人に対する不安感、不信感、人に向けられる悪意などそういったマイナスの感情が読んでいてとても感じられます。
また読んでる最中も展開が二転三転し、ラストは初めからは考えられないオチが待ち構えています。
また舞台は京都なのですが、ここまで調べたのか…と読んでて脱帽するほど事細かに京都のことが描写されています。
烏丸通や西大路通など京都を代表する通り以外にも亀岡市内など、京都市内からは少し離れたところまで描写されており貴志祐介さんの表現力の高さには脱帽するしかないです。
ホラー作品としましても、かなりレベルの高い水準でまとまっていますので、是非ともおすすめしたい一品です。
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