宮尾登美子著作「クレオパトラ」

宮尾登美子著作の「クレオパトラ」を読みました。

クレオパトラといえばエジプトのプトレマイオス王朝の女王として世界的に有名です。

宮尾登美子の作品系列からすると、「クレオパトラ」という作品は異色になるのかもしれません。

この作品は女王クレオパトラを女性の視点から描いています。

ですので、「女王」という部分よりも「一人の女性」としての部分が全面的に出ていると思います。

愛人であるローマの英雄カエサルや、夫となるアントニウスとの恋に翻弄される様子は、まさにそういった女性の部分が強調されていると思います。

クレオパトラというと男性を手玉にとる非凡な女性のイメージがあったのですが、この作品では、そういった非凡な部分だけでなく、弱い部分も描かれています。

孤高で貴高い女性としてのクレオパトラが好きな人には、宮尾登美子の描くクレオパトラは違和感を感じるかもしれません。

実際のクレオパトラの人物像は誰にもわかりませんから、こういった視点からのクレオパトラも面白いかもしれません。

一途な女性としての生き方に惹かれるなら、宮尾登美子のクレオパトラに魅力を感じると思います。

宮尾登美子女史の文体はなめらかで読みやすく、けっこう長編だったのですが、最後までスムーズに読めました。