一夢庵風流記

一夢庵風流記は隆慶一郎が書いた伝奇物というジャンルの小説です。
歴史でも伝記でもなく、伝奇とされているのは、ほとんど歴史的な資料が残されていない前田慶次郎利益を主役を演じさせたことによります。
この作品の主人公前田慶次郎利益は、少年ジャンプの花の慶次でもおなじみのキャラクターですが、こちらの小説が原作となっているので、本質的なところは全て同じになっています。
原作と漫画で異なっているのは、朝鮮出兵についての部分が琉球王朝になっているという部分で、小説の中では一番見どころのある部分でしたが、様々な配慮をした結果、ジャンプでは描かれることはありませんでした。
せっかくの素晴らしい作品を歪めてしまった少年ジャンプの花の慶次は一夢庵風流記に比べると迫力に欠ける作品になっています。
一夢庵風流記のストーリーは慶次郎の生い立ち、なぜ前田姓を名乗りながら、漂泊の者、傾奇者と呼ばれる男になったのかという部分と、おまつとの恋愛、朝鮮出兵など慶次郎が冒険をする部分からなります。
脇役のキャラクターも非常に魅力的で、骨、捨丸、金悟洞などの稀代のつわ者たち、おまつ、伽耶姫のような慶次に魅せられた女性たちなど、これらの登場人物が小説の中で活き活きと描かれています。