賭けゴロ

親分一人、子分一人の超小規模ヤクザ、六本木小菊一家の奮闘を記した異色ヤクザもの漫画です。彼らは競馬のノミなどの「オーソドックス」なヤクザのシノギもやっていますが、賭け事となれば絶対に負けないというプロ中のプロの博徒でもありました。しかも、自分たちが花札や麻雀をやる、といった形のみならず、ボクシングの試合や暴力団主催の賞金総取り裏コンペに自らが仕込んだ選手を立て、賭け金をさらっていくということもやっています。そのため、様々なスポーツの知識にも精通していますし、選手のサポート役に徹することが多いためか、作品全体のカラーがスポ根ものに近かったりもします。

通常ギャンブルで生計を立てる人々は、完全な「勝負師」ではありますが、どこかで自分たちが負ける時のことを想定しているものですが、本作ではギャンブルとは言いながらも百戦百勝をモットーにしているところが異色かつ斬新です。また、その一方で人を騙す手は使っても潰したりはしないのが小菊一家の性分でもあり、シャレにならない大金が絡んでいたりするにも関わらず必要以上にはえげつなくならないところも良かったですね。

考えてみればみるほど結構荒唐無稽な設定だったりするわけですが、そんな小菊一家に対する面々も、弟子のゴルファーを何人も壊してプロを追放されたドクター中尊寺と、プロレスラーの子供を引き取りゴルフだけをやらせてきた「ゴリラ」のコンビなど、とてつもない印象の強さを有する連中だったりしますが、勝負自体の展開は非常に熱く、しかも丁寧なので、電気ショックでスイングを覚え込ませたりする敵との戦いであるにも関わらず、不思議とスポーツ漫画として楽しむことができました。
タイトルからは想像できない面を様々と持つ、独創性の強い良作と言えるでしょう。