街の喧嘩のようなライブ感があるラーメン漫画「闇金ウシジマくん外伝 らーめん滑皮さん」

世の中には様々な料理があり、またそれらを題材にしたグルメ漫画も非常に多いですが、本作は大ヒット闇金漫画を原作にラーメンに特化してみせた珍しい一作です。しかし本作は単なるキャラや設定だけを借りたスピンオフではなく、他の作品にはない特徴を備えています。

具体的に言うと、「ライブ感」による「リアル感覚」です。
ジャンルはどうであれグルメ漫画の場合、主題になる料理は大体おいしくできています。
店主たちの接客も隙がなく、場合によっては考えられるだけの「最高」を備えていることも少なくないです。
しかし本作の場合は、丑嶋の旧友である戌亥たちやヤクザの滑皮が、突発的にラーメンを食べるという構図なので、当然「準備」は不十分です。
下調べに使う時間もないので当然ですが、やはり不足がある点は否めないのです。

ふらっと入った店だったり、作ってみたラーメンだったりするので、質にはバラつきがあります。
出鼻をくじかれるようなまずいラーメンなのに批判ができない空気があったり、かなりうまく料理自体は仕上がっているものの、店主の態度がかなりひどく、追い出されるように帰ることになることすらあります。
こうした描写はグルメ漫画には珍しいですが、だからこそ迫真性をもって伝わってきました。

相変わらず滑皮の食べ方が異常に汚かったり、原作で退場したキャラが再登場したりと、原作ファンには嬉しい配慮もありますが、まず何よりもラーメン屋のリアル感が「分かっている」部分が、麺好き読者のハートに刺さる一作と言えます。