今回は貴志祐介さん著の”黒い家”という本について紹介したいと思います。 この本はホラー小説になるのですが、突然驚かしてくるタイプのホラー小説ではなく、読み進めるたびに背筋がゾクゾクするような、とてもリアリティのある作品となっています。 この本における主人公は保険会社の社員なのですが、貴志祐介さん自身も小説家になられる以前は保険会社の社員として勤務されていたのでその内情も驚くほど鮮明に描かれていますので、その点を読むだけでもこの本を読んでみてよかった思える点ではないかと思います。 またホラーの部分に関してな... Read More

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面白かったライトノベルについてご紹介したいと思います。 一度、10数年前に完結をしているスレイヤーズというライトノベルです。 作者は神坂一という方で、作風も非常にライトで面白いものとなっています。 背景的には中世ヨーロッパを模しており、世界観は剣とファンタジーです。ファンタジーの金字塔と呼ばれ、小説を原作としてアニメか映画化、ゲームなど幅広いジャンルへと展開されていった作品です。 作中にでてくるキャラクターも非常に個性的です。正義の味方というわけではなく、基本的には自分の気持ちに忠実に動きます。ですので、... Read More

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一夢庵風流記は隆慶一郎が書いた伝奇物というジャンルの小説です。 歴史でも伝記でもなく、伝奇とされているのは、ほとんど歴史的な資料が残されていない前田慶次郎利益を主役を演じさせたことによります。 この作品の主人公前田慶次郎利益は、少年ジャンプの花の慶次でもおなじみのキャラクターですが、こちらの小説が原作となっているので、本質的なところは全て同じになっています。 原作と漫画で異なっているのは、朝鮮出兵についての部分が琉球王朝になっているという部分で、小説の中では一番見どころのある部分でしたが、様々な配慮をした... Read More

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思考の整理学の作者でもある外山滋比古が読みやすいように作り直したのが「乱読のセレンディピティ」という本です。 この本に書かれているのは基本的には読書の大切さ、どのように読書をすればよいのか、知識として定着しないように思われる斜め読みの効能などについて書かれています。 セレンディピティとは偶然見つけた宝物の意味で、ノーベル賞などを受賞する科学者が本来の実験とは違うことをしてしまった結果、偶然にも素晴らしい成果に結びついてしまうことなどもセレンディピティです。 外山滋比古は英語の習得と同じように読書も声を出し... Read More

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湊かなえさんの書くミステリー小説が好きで数年間ハマっています。 同じミステリー作品でも小説によって風味が全然違うので結末が楽しみなのです。 この「未来」は「告白」に次ぐ大作だというので読むのを楽しみにしていました。 時系列がアチコチに飛ぶので読んでいる間は、謎解きは到底無理な作品でした。 最後の最後に「あーこうきたか!」「やられた!」と思わず声に出してしまうほどです。もう一度一気読みしないと、どこで主人公が交差しているのかわからないようになっていました。 人間の残酷さと冷酷さが鮮明に描かれていて、人の描写... Read More

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松本人志さんのベストセラーに遺書という本があります。当時物凄くヒットして、社会現象になりました。社会現象になった程ですから遺書という本は良く知られているのですが、その続編があります。 それが「松本」という本です。そもそも遺書や松本という本がどんなものかというと書下ろしの作品ではなく、週刊朝日という雑誌にコラムといった形で約1ページ程書かれていた文章を、いくつかピックアップして掲載してある本です。 松本は、お笑いに関して書かれた本です。 松本氏のお笑い芸人、コメディアンとしての生き様が記されています。 今と... Read More

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江國香織さんの書いた短編小説集の「つめたいよるに」は、素敵なおはなしが二十以上詰め込まれています。 どの小説も好きなのですが、特にお気に入りの作品は「デューク」です。二十一歳の女の人がかわいがっていた犬のデュークが亡くなってしまい、悲しみで涙が止まらないシーンから始まります。 私もずっと前ですが、心底かわいがっていた犬が死んでしまったときは、家族が死んだような気持ちでいっぱいになりました。ふとした瞬時にその犬との楽しかったことを思い出しては、泣いていました。ですから、この物語の主人公に強く感情移入して読み... Read More

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角田光代さんの書く社会派小説です。 三面記事とは、新聞記事のなかでも特に、人々の生活がにじみ出る記事のことです。あなたの人生に降りかかるかもしれないけれど、新聞で大きく取り上げるほど世間が重視するわけでもない……そういう生々しい日常が映し出される記事です。 角田さんは、新聞に掲載されたこの「三面記事」から着想を得て、6本の短編にまとめました。どの作品もドロッとしていて、思わず顔をしかめたくなります。 各作品のタイトルページが三面記事を模したデザインになっており、どの新聞記事を参考にしているのか、新聞社名や... Read More

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幼少期にバッタを捕まえたことがのあるはたくさんいるかもしれない。 この本はそんなバッタに魅了された”バッタアレルギー”のバッタ学者の記録。バッタアレルギーのバッタ学者と聞いただけでもわくわくしてきます。著者は大学院を卒業したものの期限付きの募集しかない日本。 バッタを研究しているのに、野外には出ず研究室での実験ばかり。 本当にこれでいいのだろうかと疑問に思った著者は思い切ってアフリカへ旅立った!著者は現地で揉みにもまれる。 著者が何も知らないことをいいことに法外な値段で雇用するよう要求する現地の人々……。... Read More

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貴方は人生をやり直したいと思った事はないでしょうか?あの頃の自分に…記憶を保ったまま。 そんな誰しもが思い描く事を体験した男の奇妙な物語です。 物語は主人公のジェフが死ぬところから始まります。 第1段落で主人公が死ぬのです。そして…気がつくと43歳だったジェフは18歳の大学生の頃の自分になっている事に気付きます。 混乱するジェフでしたが落ち着いてみると自分が43歳までの知識を持ったまま18歳の自分に転生している事に気付きます。 ちなみに転生前のジェフの仕事はジャーナリスト。 今後25年の間に起こる重要な出... Read More

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ハリネズミの願い
未分類 / 2018年9月7日

トーン・テレヘン作、長山さき訳、新潮社発行。 私がふと立ち寄った本屋でこの本を手に取ったのは、かわいらしいハリネズミが描かれた表紙と帯に載ったキャッチコピーにとても魅かれたからです。『世界一孤独なハリネズミの世界一愛おしい物語』。たくさんの動物がいる中でハリネズミが主役であるこの作品、ハリネズミはどうして孤独なのでしょうか。2017年本屋大賞翻訳小説部門など3冠受賞しているこの作品は、読み始める前からワクワクが止まりませんでした。 クスッと思わず笑ってしまうシーンは読み始めた直後からあります。ハリネズミは... Read More

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街の喧嘩のようなライブ感があるラーメン漫画「闇金ウシジマくん外伝 らーめん滑皮さん」
未分類 / 2018年6月10日

世の中には様々な料理があり、またそれらを題材にしたグルメ漫画も非常に多いですが、本作は大ヒット闇金漫画を原作にラーメンに特化してみせた珍しい一作です。しかし本作は単なるキャラや設定だけを借りたスピンオフではなく、他の作品にはない特徴を備えています。 具体的に言うと、「ライブ感」による「リアル感覚」です。 ジャンルはどうであれグルメ漫画の場合、主題になる料理は大体おいしくできています。 店主たちの接客も隙がなく、場合によっては考えられるだけの「最高」を備えていることも少なくないです。 しかし本作の場合は、丑... Read More

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露出計超ハイパワーギャグ 剥き出しの白鳥
未分類 / 2018年5月9日

名門校に通う男子高校生、白鳥君。容姿はとても格好良く、女性ファンも多いが常に品行方正で成績も優秀、おまけに父親も外交官と、あらゆる面で隙がない優等生である彼だが、実は「露出」が趣味という困った一面がありました。 それも無数の生徒がおり皆に顔を知られている校内でやるからこそ「生きている」ことを実感できるというかなり困ったタイプで、週に五回も実際に全裸になっているだけに、毎回のようにピンチが訪れます。 しかし運動神経抜群でもある白鳥は、あらゆる動きと策を講じて危機を突破していくのです。 生徒会で問題になったり... Read More

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働かざる者たち
未分類 / 2018年4月8日

新聞社の技術部で働く傍ら、漫画家としても稼いでいる青年、橋田を主人公にしたサラリーマン・ストーリーです。ヤバいほどのやる気のない窓際社員たちに焦点を当てていますが、そのリアリティや使えなさ具合の絶妙な塩梅は、以前から窓際な社員たちをテーマにしてきたサレンダー橋本氏ならではの冴えとも言えます。 もっとも、「働かざる」とは言え良くある完全なニートや無職者を主人公にした作品ではなく、皆、一応社員として働いている身なので、まったく仕事をしていないわけではありませんし、社内でダメになった経緯も様々です。手柄を横取り... Read More

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賭けゴロ
未分類 / 2018年3月6日

親分一人、子分一人の超小規模ヤクザ、六本木小菊一家の奮闘を記した異色ヤクザもの漫画です。彼らは競馬のノミなどの「オーソドックス」なヤクザのシノギもやっていますが、賭け事となれば絶対に負けないというプロ中のプロの博徒でもありました。しかも、自分たちが花札や麻雀をやる、といった形のみならず、ボクシングの試合や暴力団主催の賞金総取り裏コンペに自らが仕込んだ選手を立て、賭け金をさらっていくということもやっています。そのため、様々なスポーツの知識にも精通していますし、選手のサポート役に徹することが多いためか、作品全... Read More

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「ときめきトゥナイト」を、子供時代と大人時代に2回見たら
未分類 / 2018年2月4日

「ときめきトゥナイト」……。子供の頃の大ヒットアニメですね。 流行り物にはうとかったのですが、たまたま見てました。良かったです……! 絵にストーリーに感動していたのを覚えてます。そして大人になって2回目に見た時に、好きは好きのままだったのですが、少し記憶と感想が一致しない事がありました。 まず子供時代は、ストーリーを「蘭世と真壁くんの恋物語」だと思って憧れの目でずっと見ていたのですが……。 しかし大人時代に見たら、魔界とのすごい争いが結構あったようで。……まぁ、子供ですから難しい言葉が出てきてごちゃごちゃ... Read More

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姫野カオルコ「ツ、イ、ラ、ク」の魅力
未分類 / 2017年11月30日

この物語は、地方の小さな町で暮らす、主人公・森本準子の小学生時代から始まり、彼女の成長・恋愛・人生すべてが描かれた長編小説です。 「主人公である中学生・準子と教師の恋愛」が中心の物語で、もちろんそこに重点が置かれていますが、私は、それを取り巻く周りの人々の群像劇もポイントになっている作品だと思います。 長編小説というのは、読み始めることを躊躇ってしまいがちですが、この作品は読後に必ず「読んでよかった。また読みたい。」と感じる作品です。 私はこの作品の魅力として、主人公・準子と周りの人々の成長がリアルに描か... Read More

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最高の自分を引き出す イチロー思考を読んで
未分類 / 2017年10月22日

世界で活躍されており、その中でも多くの歴史を変えてきたイチロー選手がどんな考えを持っているのかを知りたくて私はこの本を購入しました。 私が考えていたようなことよりも遥かに想像を超えた考え方がこの本には書かれていたのです。 しかし、その中でも一番共感できたものだけは私もそしてみなさんも知っている方法でした。 それは、継続することが大きな力になるということです。 それを簡単に言ってのけるのがイチローさんのすごさなのだと感じました。 野球だけではなくどんなことも継続することで大きな力になり誰も知らないような場所... Read More

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プシュケの涙 /柴村 仁
未分類 / 2017年9月17日

私が最近、読んでみて面白かったオススメの小説をご紹介します。 メディアワークス文庫から出ている、柴村仁さんの『プシュケの涙』という作品なのですが、それまでこの作家さんを知らずに本屋さんでなんとなくタイトルや表紙が気になって購入してみた一冊でした。 「夏休み、一人の少女が校舎の四階から飛び降り自殺した」という紹介文からまず興味をそそられ、何があってそんなことが起きたのかと真相が気になり、ついサクサクとページを読み進めてしまい、読み終わることにはすっかりこの物語の虜になってしまいました。 前半はその少女の死の... Read More

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心が暖かくなる恋愛小説【ラビット病/山田詠美】
未分類 / 2017年8月7日

‪タイトルの可愛さに惹かれて購入しました。 題名に負けず劣らず可愛らしい恋愛小説です。 山田詠美さんの作品に登場する人物はどことなくクールだったり少し大人びていることが多いのですが、本書「ラビット病」ではひと味違います。 主人公はお金持ちだけど他人から愛されることを知らない女の子ゆりちゃんと、そんな彼女を全力で受け止める純朴青年ロバート。 お互いのことを「ゆりちゃん」「ロバちゃん 」と呼び合い、周りの目も気にせずラブラブな言動を繰り返す二人はバカップル以外の何者でもありません。 しかしながら育った環境も価... Read More

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