心が暖かくなる恋愛小説【ラビット病/山田詠美】

‪タイトルの可愛さに惹かれて購入しました。
題名に負けず劣らず可愛らしい恋愛小説です。
山田詠美さんの作品に登場する人物はどことなくクールだったり少し大人びていることが多いのですが、本書「ラビット病」ではひと味違います。
主人公はお金持ちだけど他人から愛されることを知らない女の子ゆりちゃんと、そんな彼女を全力で受け止める純朴青年ロバート。
お互いのことを「ゆりちゃん」「ロバちゃん 」と呼び合い、周りの目も気にせずラブラブな言動を繰り返す二人はバカップル以外の何者でもありません。
しかしながら育った環境も価値観もまったく異なるゆりちゃんとロバートが共に成長していく様子は見ているだけで暖かい気持ちになれます。
作中で「ガソリンを入れるお金がないなら貸してあげるよ」と言うゆりちゃんに対し、ロバートが「お金がすべてではないよ」と伝えるシーンがありますが、ゆりちゃんはこれをきっかけに「お金より大切なものってなんだろう」と考えることになります。
そしてロバートの愛情が見返りを求めないものなのだということに気づきます。‬

 

‪「ロバちゃんと、こうやってると、何もいらなーい」‬

‪「ゆりちゃん、それは本当かい」‬

‪「ほんとだーい、ロバちゃんがいないと私は不幸なんだ」‬

 

‪こちらは第3章に出てくる会話です。読んでいて思わず笑みがこぼれそうになります。‬

‪本作品はフィクションでありながら作者の実体験が色濃く反映されているので、恋愛のバイブルとして何度も読み返したくなること間違いなしです。