ほしのこえ

離れ離れになっていくカップルの切ないSF漫画です。

原作は、現在大ヒット公開中である『君の名は。』の監督である新海誠氏。漫画は、大人気ジャニーズアイドルである嵐の相葉雅紀主演でドラマ化もされた『マイガール』の作者である佐原ミズ氏。

長峰美加子(ミカコ)と寺尾昇(ノボル)は同じ学校を目指す中学3年生だったが、ミカコは異星人を調査するために宇宙へ行くことになる。地球に残るノボルと、宇宙にいるミカコの連絡手段はメールだけとなったが、ミカコがどんどん地球を離れていく程、メールの送受信の時間は遅れていく。その時間の隔たりや心のすれ違いの切なさを、佐原ミズ氏の美しい線で描かれています。

佐原ミズ氏は、キャラクターの表情や空間、風景などを繊細なタッチで独自の手法で描かれており、見る人全てを魅了させます。

現実的に考えて、私たちが想像する遠距離恋愛とは「会おうと思えば会えてしまうが、都合がつかず結果的に遠距離になってしまうこと」に集約されると思いますが、この漫画でいう「遠距離恋愛」というのは、本当の意味での「会いたくても会えない遠距離」です。しかも、お互いどちらかが亡くなってもいないのにも関わらず。なので、お互い会おうと思えば会える現代人には理解はし辛いかもしれませんが、想像はできるので、読んでみる価値はあります。

私はこの本を読んで、私の周りにいる私のことを支えてくれる大切な人たちのことを本当に心から大切にしていこうと考えさせられました。普段、喧嘩をしたり、言い合いをしたりしている仲でも、そんな喧嘩や言い合いができるだけでも本当に幸せなことだと感じました。普段いて「当たり前」と思っている大切な人たちがいるだけでも全然「当たり前」ではなく、「貴重なこと」です。そのことに気付いて、毎日を送るだけで、世界はまた違って貴重なものに見えて、全ての人や物に優しくすることができるような気がしてきます。

この本は一巻で完結するので、時間が取れない忙しい方でも気軽にすぐに読めるので、みなさんにおすすめしたいです。そして、読んだ後も切ないですが、すっきりするので、バッドエンドが嫌いな方でも読めます。

また今大ヒットしている映画『君の名は。』で新海誠氏を知った人にも是非読んで欲しい作品です。